施工事例

外壁ペイント文字及び真鍮切り文字

—今回の現場はどのような案件だったのでしょうか?

空間プロデュースやグラフィック等の複合的なお仕事を行っている会社さんの事務所移転に伴った新規看板制作の案件でした。制作から施工までを請け負わせていただきました。

2種類の施工を行っておりまして、1つ目が外壁にペイントで描く施工、2つ目が真鍮で作る切り文字です。

—外壁に描くペイントはどのような施工でしたか?

約9m〜10mほどの高さのところで作業を行いました。足場作業になります。

足場はお客様側で手配されておりまして、弊社ではその環境の中で2名体制にてペイント文字を描きました。

今回の足場は高さがおおよそ1700mmくらいだったと記憶しています。私の身長にヘルメットも合わせると天井がぶつかってしまうため、屈みながらの作業となります。今回は細かい作業もあったため、その点は苦労しました。

特に今回の外壁は1cmほどの凹凸のあるものだったので、弊社で用意した原稿をマスキングテープで貼っていくのですが、溝を埋めながら文字のアウトラインを綺麗に出さなければならず、その点も合間って作業がより手間のかかるものとなりました。

ペイントの全体幅が4500mmあったので、半々で分担しながら作業を進めております。2名体制でおおよそ6、7時間ほどの時間で作業を終えています。

—続いて、真鍮で作る切り文字の方をお聞かせください。

入り口横に設置する看板になります。表面には腐食防止も含めて金メッキ加工を行っています。

足場があると施工に取りかかれないため、足場が解体された後に施工を行いました。

こちらの看板は文字をそのまま外壁につけるのではなく、浮かせてつける仕様であったため、ボルトなり何か浮かせるための材料を入れなくてはなりませんでした。そのため外壁に穴を開ける作業が必要となります。

位置がずれてしまうとその穴は基本的に塞ぐことはできないので、一発勝負となります。間違いがないように最初の位置出しには慎重になりました。

そのため始めに原稿を当てお客様と確認を取った上で作業をスタートさせています。

文字の浮きを合わせるためスペーサーという浮かせる高さの基準を取れるものを使っているのですが、凹凸ではどうしてもそれが入れられない場所が出てきます。出っ張りや引っ込みがないように文字の面合わせをしますが、そこは特にこだわって調整しています。

こちらはおおよそ3、4時間で作業を終えました。

—他社さんではもっと早く終えるところもあると思うのですが、そのぐらいの時間をかけるのには何か意図はあるのでしょうか?

そうですね。まず時間的な余裕を持てる現場だったので急ぐ必要はなかったことが挙げられます。やり直すことのできない作業だったので、焦らず時間を十分に使ってやった結果そのぐらいの時間がかかりました。

—もっと早く行うことも可能なのでしょうか?

やろうと思えば早くすることは可能です。ただ、その分リスクは高くなりますので、ミスしてしまうこともあります。やはりそういうミスを減らすためには十分な時間を使う方が良いと私は考えています。

—現場の状況に合わせて対応されているのですね。

はい。そうしております。

—続いて、施工のための準備についてこだわった点はありますか。

ペイント作業の方では、事前に弊社で原稿を作るという作業がありました。また指定する色の品番があったので、それを取り寄せしたりすることも行っています。

また、施工予定日がありますのでスケジュール調整なども行っています。

真鍮の切り文字の方では凹凸にうまく合わせるように一度固めの段ボールに原稿を貼る作業なども行いました。そうすることでボルトの穴位置を正確に開けられるようになるのですが、それは結果的には使いませんでした。しかし、そういったちょっとした事前準備をしっかり行うことで現場での失敗のリスクを下げる努力をしております。

—この施工を通して何か感じたことがあればお聞かせください。

最近では印刷機器の能力が高くなってきており、印刷物を壁に貼るだけの作業が増えています。コストを抑えて早い納期、そんな時代になってきているんです。

そんな中で今回やらせていただいた、壁に文字をペイントしたり真鍮の切り文字を取り付けるといった面白い作りの看板は、技術がないと綺麗に仕上げられないものでもあるため、私としてもやりがいを感じるとともに、いいお仕事をさせて頂いたなという思いがあります。

こういったものが無くならず、これからも続いていって欲しいなと思っています。

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