夜間作業のようですが今回はどういった施工でしたか?
はい。今回はテナント4階のサイン工事でした。脚立やハシゴでは届かない高さなので高所作業車による作業になります。
高所作業車の作業になりますと高所作業運転免許が必要になります。これは車の運転免許とは別で、車両についているバスケット(作業員が作業時に乗る場所)の上昇、下降などを運転する免許になります。
道路に高所作業車を設置する際は、アウトリガージャッキと呼ばれる転倒防止の対策をとる必要があります。その場合、車両幅以上に道路の幅を広く確保する必要があり、安全のためにカラーコーンやトラバーで作業範囲をとります。ガードマンに周りを確認していただき人や車の安全を注意する必要もあります。

高所作業車には、車両サイズ・種類が多数あり、現場の状況によって選定しています。
施工する高さによって車両のサイズを選び、適正サイズの車両を決めます。小さすぎても、大きすぎても良いものでもありません。現場の状況を把握し、クライアントと打ち合わせの上、段取りしていきます。
高所作業車を使われたということで、作業は大変だったんじゃありませんか?
そうですね。普段の生活では体験することのない高さの作業なため神経を使います。また、現場が都内ではなかったということもあり、事前準備や移動時間も気を付けました。
夜間作業を選んだ理由が、公共交通機関が営業を終えた後の交通量が減った時間帯にするためでした。どうしても日中しかできない場所もありますが、安全のために夜間作業ができるのであれば弊社では夜間帯の作業を選びます。今回は現場が駅から近い場所で歩道の幅も広かったこともあります。

看板工事のメイン作業は袖看板の店名変更でした。
新店舗の名前を入れるため印刷シート(糊付)を製作し、一発勝負で既存の看板に貼っていきます。袖看板のサイズが幅600mm×高さ3000mmが今回のサイズでした。表裏の2面をきれいに貼らなければならず、さらに袖看板の位置が地面から約15mの位置にあるため、物を落としてしまうと大きな事故につながってしまいます。気持ちを落ち着かせて作業を行いました。

今回の高所作業はバスケットを移動させる際の邪魔になる電線や電柱、植栽がなかったためスムーズに作業でき、表面も裏面もともにきれいに仕上げられました。
袖看板のほかにサイン工事はあったのですか?
テナントガラス面にロゴの表示もありました。

ガラス面のロゴは写真で見る限り外からの施工のように見えると思いますが、ここは高所作業車で作業しておらず室内から施工しました。高所作業車で届く位置でしたが、製作の際にロゴを反転させた仕様により内側から外側に向かって表示しています。
外部にロゴを貼ってしまうと汚れや劣化が少なからず進行していきます。室内の場合は外部よりも環境が良いため長く表示させることができます。清掃するのも室内側は手が届くため安心です。

室内から貼る場合の注意点は糊ムラをつけないことです。
カッティングシートを機械カットしてロゴを製作します。カッティングシートには糊がついておりスキージというヘラを使用して貼り込みます。このスキージ跡が外から見えてしまいます。そこの仕上がりが均等にスキージ圧をかけられると見た目がきれいになります。
なるほど。熟練の技術が必要になるのですね。そうなると時間もかかるのでしょうか?
そうですね。今回の施工でかかった時間はトータル4時間くらいでしょうか。
とは言え、今回の現場は環境が良かったからそのくらいで済んだと思います。高所作業車の設置位置が決めやすい事、袖看板の店名変更を上貼りで出来たこと、ガラス面を内側から施工できたこと、この結果が時間に反映されたと思います。
同じような作業の場合でも、前テナントの店名が残っていると撤去しなくてはならないこともあります。そうなると時間がかかってしまいますね。撤去して掃除してきれいにした後にやっとシートを貼り始められます。倍の時間はかかってしまいます。

総合案内のテナント名もロゴ入れしました。ポストにもステッカーをはって終了です。
大変な現場でしたね。ご説明ありがとうございました。一つの現場の中で色々な看板施工があることを知ることができました。
ありがとうございます。今回はこのような内容でしたが、現場が違えばもっと多種多様の仕様が一つの現場に含まれていることがあります。抜けがないか、間違いがないかをチェックし納期に間に合わせられるよう進めるのが仕事ですね。
あとは安全に施工終了できることが一番ですね。
