テント張替とサイン工事ということですがどういった工事だったのでしょうか。
今回の作業は雨除けや日除けのためについている軒先テントの張替作業でした。テントといわれるとキャンプ用のテントを連想される方もいらっしゃると思いますがサイン業界ではお店用のテントになります。

雨除けにはオーニングテントと言われる開閉式の屋根を付ける場合もありますが、今回はすでに軒先テントがついていたため古い軒先テントを外して新しい生地で張り替えました。この場合、生地だけの張替もあれば新規で別の形状にして付け替えることもあります。
なぜ、生地の張替だけだったのですか?
今回は既存のフレームがあったため生地の張替工事になりました。しかし、フレームがあったからと言って次のテナントさんが使用できるとは限りません。フレームは通常、鉄骨材で製作します。塗装仕上げをし錆びにくく造ります。ステンレス材を使用して錆びにくくすることも可能ですが高額なフレームとなってしまいます。
既存フレームの錆びがひどくなく再利用できるものだったので張替のみで進めました。フレームの錆がひどいと強度が落ちてしまい使用できなくなります。人の手で揺すったりするだけでボロボロと壊れるぐらいのものも稀にありますね。事前の現場調査の時にしっかりチェックしてクライアントとの仕様決定を行う必要があります。

軒先テントのアクセントにお店のロゴも入れてます。内装デザインのディレクターさんがおしゃれにイメージされて、今回の意匠となっています。
軒先テントの工事で苦労された部分はありましたか?
苦労したことといえば、細かいところをはぶいたら2点でしょうか。1点目は既存フレームに合わせて生地を製作することです。素敵な服もサイズが合ってないとイメージと変わってしまうように軒先テントも同じです。
既存フレームのサイズをきちんと測り、側面部分の原寸原稿を作りました。軒先テントは建物の形状によって変わるため同じつくりというものがほとんどありません。敷地に対してどこまで出幅をとれるかということもあるので現場の環境がとても重要です。
2点目は生地の取り付け方です。今回は巻き込み式にしています。

巻き込みというのはフレームをぐるっと巻きあげ鉄骨材を隠す方法になります。フレームが生地に隠れるのですっきりとした仕上がりになります。フレーム出しや前飾り付きという方法もありますが、既存でついていた生地も巻き込みでしたので同じ仕上げとなりました。
生地を張る際にツリマウントと呼ばれる金物を使って固定し、ロープで仕上げ巻きしていきます。
シャッターボックスとフレームとの間が狭いところがあり、ロープを巻くのに苦労したのが2点目でした。均等に生地を張らないと余計なシワが出てしまい見栄えが悪くなってしまいます。とても気を使う作業ですね。

テント工事のご説明ありがとうございます。サイン工事はどういったことをされたんですか?
サイン工事は軒先テントにロゴ入れしたのと入口ドアにロゴ入れさせていただきました。

カッティングシートの切り文字ロゴを入口ドアのガラスに貼りました。ロゴが入ると雰囲気がガラッと変わりますね。お店のイメージにそぐわないようなサイズにしないようにするのがポイントだと思います。このサイズに決めたディレクターさんのセンスが光るところです。大きすぎたら野暮ったいし小さすぎても視認性が落ちて意味がなくなります。
実は入口ドアのガラスには木目調の糊付シートで腰下を隠しています。これによって外から店内の見え方が変わり通りから見る目線を上えあげています。ちょうどそこにロゴが見える、流石です。

お店のオープンに何とか間に合わせて工事終了でき、ほっとする瞬間です。
サインはあれば良いというものでもありません。お店のイメージがあり、素材や書体、ロゴの形、大きさ、設置する場所、いろいろな要素が含まれます。あえて看板をつけないということも稀にあり、ロゴがお店の信用性を認知させるということもあります。
私たちにはクライアントの要望にあっているのかといったイメージにマッチさせていくことが必要になっていると感じています。これからも良い工事ができるよう頑張ります。